【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.61】股関節回旋速度の左右差


『右利きゴルファーの左股関節内旋運動は右股関節外旋運動よりも速く、左側の方が右側よりも股関節関節唇損傷のような傷害を引き起こしやすい。』
Gulgin et al.2009

《中村の解釈》
ゴルフスイングでは様々な関節で回旋運動が起こります。
なかでも大きな可動域が必要なのが股関節(骨盤を切る運動)と肩甲胸郭関節(肋骨上で滑る肩甲骨の運動)、胸椎椎間関節(背骨の回転)の運動です。
これらの回旋速度はスイングスピードと直接関係するため、可動域の増大や周囲の筋肉を鍛える選手は多いかと思います。
ただし、誤った使い方を繰り返すことで股関節を痛める可能性があるので注意が必要です。

今回の報告では股関節に注目し、リード側(右利きゴルファーの左側)とトレイル側(右利きゴルファーの右側)でどのような特徴があるのかを調べています。
左股関節の内旋(内側への回旋)と右股関節の外旋(外側への回旋)というのはダウンスイングで起こります。
通常、テイクバックではゆっくりとクラブを持ち上げるのに対し、ダウンスイングでは急激に振り下ろすことになります。
ここで、両股関節にはテイクバックよりもダウンスイングの方が負担が大きくなることが考えられます。

ダウンスイングでは左側の踏み込みにより床からの反力を利用して骨盤を回旋させます。
つまり、力の伝達は床から左足、左足から左膝、左膝から左股関節という順番に伝わって、最後に骨盤を介して右股関節の回旋が起こります。
もちろん右側もある程度は床面を蹴る力がかかると思いますが、他の研究報告をみると左側の踏み込みの方が有意に強いことが分かっています。
今回の研究報告においても、左股関節の方が回旋する力が強いということで見解が一致しているようです。

股関節はソケット(寛骨の臼蓋)とボール(大腿骨頭)から成る球関節です。
この関係は肩関節でも同様ですが、股関節の方がソケットにボールがスッポリとはまるような形状となっています。
さらに関節唇といって、ソケットの深さを増すための軟骨組織がソケットの縁にグルリとついています。
関節唇の大きさは小さいのですが、股関節の異常な運動が起こると、ソケットとボールに挟まれることがあります。
また、脱臼が起こると骨が外れる際に一緒にちぎれることもあります。
このような状態を股関節関節唇損傷といいます。

骨盤の回旋速度を増そうとしてアウターマッスルばかり鍛えていると関節唇を痛める可能性が高いので、インナーマッスルによる関節安定性の増大を目指しましょう。
小殿筋、腸骨筋、外旋六筋などが股関節のインナーマッスルになります。
オススメのエクササイズはストレッチポールを使った股関節回旋運動です。
http://rips-ip.com/exercise/stretchpole/
運動が簡単すぎて効果があるのか疑問に感じるかもしれませんが、インナーマッスルトレーニングは地味なのです。
他にもメリットがいっぱいあるので、是非習慣化してください。

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