エビデンス
『飛距離を落としたショットを打つとリード側の床反力も減少する』
研究グループ
McNitt-Gray et al.2013
飛距離を落としたショット
ティーショットでドライバーを勢いよく打つ場合は飛距離の計算はほとんどしなくても良いかと思いますが、セカンドショット以降はそうはいきません。残りの距離が番手ごとの距離と同じであっても、ライや風の影響を考慮して番手を選ぶかと思います。特に80ヤード以内となると、転がすのか、高く上げるのか、キックを使うのか、色々な技術が求められます。残り60ヤードぐらいでグリーンエッジにキャリーで届かしてあとは転がすみたいなことがなかなか難しかったりするわけです。わずかに距離を調節するときに、ついつい力んだり、骨盤の回転が止まってミスをしてしまいがちです。
上級者の床反力の調整
今回の研究では、上級者はわずかな距離の調整はリード側(右利きゴルファーの左側)の踏み込む力を小さくしているということでした。身体全体で振れている人は意識していなくても床反力を小さくしてヘッドスピードをコントロールしているのでしょう。スイングを小さくしたり、手でインパクトを弱めようとしたりすると練習通りのスイングができなくなってしまいます。床反力はヘッドスピードと大きく関係しているので、踏み込みを弱めればゆったりとしたスイングができ、そのぶん飛距離も短くなるというわけですね。
打出し方向にも関係する床反力
床反力は重心のコントロールとしても重要で、スイング軸の位置がずれてしまわないように軸の方向に反力を向ける必要があります。つまりテイクバックでは右足に荷重しますが床反力はアドレス時の身体の中心(右股関節から下腹部中央)に向かっている必要があります。ダウンスイングでは反対に左足に荷重しますが床反力は同様にアドレス時の身体中心(左股関節から下腹部中央)に向かう必要があります。このようにすると頭の位置が固定されてスイング軸のずれを予防することができます。
常に床反力を意識した練習を
左脚一本で立って練習したり、何か柔らかい物を踏んで練習したりすると床反力のイメージがつきやすいです。逆にいつも同じ練習場のマットでは硬さが一定で床反力をイメージすることが難しくなります。また、ご自宅など練習場以外で素振りをする際には、常に床反力を意識して頂くと良いかと思います。裸足や靴下のみ、スリッパ、絨毯の上など、足底の感覚が異なる環境が非常に効果的です。