【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.56】ゴルファーの膝の運動


『右利きのゴルフスイングにおいて左膝関節は5㎜前後偏位18°軸回旋し、右膝関節は4㎜前後偏位し26°軸回旋する。』
Murakami et al.2016

《中村の解釈》
前回に引き続き、ゴルファーの膝関節に関する報告です。
ゴルファーの膝痛は関節弛緩性(インスタビリティ)と関係しているということでしたが、健常な膝関節であってもある程度は動きます。
スイング中になるべく見られない方が良いとされる曲げ伸ばしの運動以外にも、偏位(ズレ)や回旋(捻じれ)などの運動が起こります。
膝関節が全く動かないゴルファーというのは存在しません。

今回の研究では三次元でゴルフスイングを解析しています。
これまで三次元解析で多かったのはモーションキャプチャーという方法です。
反射マーカーを皮膚に貼り付けて、それを複数の赤外線カメラで撮影する方法でした。
マーカーの位置変化によって運動を解析するため、骨の上で皮膚が滑ること(スキンモーション)によってわずかな誤差を生じる可能性が否めません。
そこで、今回は生きている人間の関節運動をかなり正確に三次元解析できるマッチングという方法が用いられました。
MRIなどの画像データから骨のモデルを作成し、フルオロスコピーといういわばレントゲンの動画を撮影して、そこに作成したモデルを合わせるという方法です。
モーションキャプチャーに比べ、正確な分析が可能となりますが、モデルを作成したり動画に合わせたりの作業が大変なことが想定されます。
私が卒業した広島国際大学でもマッチング技術を用いた三次元動作解析を行っていたので、この作業がどれだけ大変なのかをよく知っています。

そのような大変な作業から生まれた今回の研究報告はとても貴重なものと感じています。
右利きゴルファーの左膝、つまりリード側の膝関節では前後に5㎜のズレが生じ、18°の回旋運動が起こったようです。
そして右膝、つまりトレイル側の膝関節では前後に4㎜のズレが生じ、26°の回旋運動が起こったようです。
リード側の方が回旋運動が小さいのはリード側に荷重をするためだと思います。
トレイル側はインパクトからフィニッシュにかけて明らかにかかとを浮かし、つま先しか接地しませんから、当然のように膝関節のインスタビリティが増大します。
特に膝から下のすねの部分(下腿)が外向きに捻じれる負荷が加わりがちです。
この負荷は膝関節にとってあまり良くありませんが、しっかりリード側へ荷重がかかっていれば怪我に至ることはないかと思います。

膝関節が全く動かないゴルファーはいませんが、インスタビリティが膝痛に関係していることも事実です。
膝関節の安定性を高めるスクワットやランジ、正しい荷重のタイミングを学習することをオススメします。

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