エビデンス
『統計学的な有意差はみられなかったが、コンプレッションウェアの着用はスイング中の体幹回旋をわずかに制限し、クラブスピードがわずかに速くなる傾向にあった。』
研究グループ
Song et al.2015
コンプレッションウェア
寒い日のラウンドはなるべくゴワゴワしないように、私はコンプレッションウェア(インナー)を一枚多く着るようにしています。Under Armour(アンダーアーマー)かSKINS(スキンズ)を使っていますがやや背骨が反る感覚があります。おそらく多裂筋や腹横筋などのコアマッスルをサポートできるようにしているのだと思いますが、どうしてもウェアとなると体表面からの圧迫となるので、アウターマッスルのサポートにになっても、インナーマッスル(コアマッスル)のサポートというのは難しいかもしれません。それでもゴワゴワした上着を着るよりは制限が少ないので、寒い日はオススメです。
胸椎の回旋は制限してはならない
今回の研究ではクラブスピード(ヘッドスピード)がわずかに速くなる傾向があったということですが、統計学的に有意差がないということは、必ずしもそうとは言い切れないわけですから、この見解は予備的な情報として捉える必要があります。明らかに体幹回旋を制限するのは良くありません。骨盤と胸郭の捻転差(X-factor)は大きい方が良いです。ただし、骨盤と胸郭の間には背骨(腰椎と胸椎)がありますが、回旋運動は胸椎が担当します。しっかり胸椎の回旋可動域を広げるようにする必要があります。胸椎の回旋可動域に制限があると腰椎に回旋ストレスが加わります。前後屈運動の担当でである腰椎に対して回旋ストレスが大きいと腰を痛める原因となります。
インナーマッスルは関節を安定させる役割
また、このように体幹回旋可動域が大きいことで、アウターマッスルである外腹斜筋や腹直筋、広背筋も柔軟性を保つことができます。アウターマッスルが柔軟であれば、腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルには関節を固定するという役割が強調されます。インナーマッスルをしっかり働かせるためにはアウター(体表面)が柔軟でなければならないわけですね。つまり、なるべく体表面にピチピチのウェアを着るということはしない方が良いと考えられます。
ストレッチが効果的
ウェアに頼らずとも、トレーニングをすれば確実にヘッドスピードを上げることができます。まずはお風呂の後のストレッチ!疲れも取れるし、よく眠れるし、可動域も上がります。やらない手はないですね。