【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.110】腰椎分節間モビリティとインスタビリティ


腰痛患者は健常者と比較してより大きな腰椎分節間のモビリティを持つ。』
Kulig et al.2007


《中村の解釈》
腰椎分節間モビリティというのは、背骨の中でも腰の部分に相当する5つの骨(腰椎)の関節の動きやすさ(モビリティ)のことです。
動きやすさといっても、筋肉の柔軟性(フレキシビリティ)とは少し意味が違います。
ここで、言葉の定義が曖昧なことが多いのですが、開脚などが180°できて身体が柔らかいというのは柔軟性が高いといいます。
一方、太ももの骨に対して脛(すね)の骨を前後に揺らすと膝関節がグラグラと動くというような場合はモビリティが高いといったり、インスタビリティ(不安定性)といいます。
ちなみに柔軟性が低くその筋肉が伸びにくい場合はタイトネス、モビリティが低く硬いことをスティッフネスといいます。

今回の研究では腰痛患者の腰椎間が健常者と比較してより大きなモビリティを持つということでした。
モビリティが高いというのは良いことのように聞こえますが、一方でインスタビリティを意味しています。
つまり、関節がグラグラと動いて不安定になっているということです。
これはゴルファーの腰痛も同じで、腰椎に本来の運動ではない回旋や側屈のストレスが大きいといえます。
腰椎は関節面の形状から体幹の前後屈を担っているため、回旋や側屈の負荷がかかると痛めてしまう可能性があります。

また、ゴルフスイングでは股関節や胸郭の回旋、肩甲骨の前後運動が捻転を大きくしています。
これらの柔軟性が低下していると、より一層、腰椎に回旋や側屈のストレスがかかります。
さらに、腰椎の安定性を高める役割であるコアマッスルが正しく働かないと、靭帯などの組織が伸びたり、微細に損傷したりして腰椎が不安定になり腰痛が発生する可能性があります。

そのため、股関節と胸郭の柔軟性を高め、コアマッスルを鍛えることが腰痛を予防するうえで重要なポイントとなります。
これらはゴルフパフォーマンスを高める要素でもあるため、例えば飛距離を伸ばすトレーニングのポイントとも言えます。
腰痛を予防しながらゴルフの上達も図りましょう。

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