【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.68】下肢切断ゴルファーのキネマティクス


下肢切断ゴルファーのスイングの滑らかさや再現性は切断レベルに依存しないが、重心移動のばらつきが大きい。』
Stastny et al.2015

《中村の解釈》
2014年9月に記念すべき第一回世界障害者ゴルフ選手権が茨城県のワンウエイゴルフクラブで開催されました。
障害のあるゴルファーが活躍されていることは仕事柄知っていましたが、これほど大きな大会があったのは知りませんでした。
大会の様子みてみると、片腕や片脚でも驚きのスイングをしています。
健常なゴルファーも障害者ゴルファーに学ぶべきことがたくさんあります。
なぜ片脚でそんなに飛ばすことができるのか、なぜ片腕で正確なアプローチが打てるのかと考えると、ゴルフに必要な身体の動きも分かってきます。

今回の研究では下肢切断ゴルファーの切断レベルの違いによりスイングが異なるのかどうかを調べています。
切断レベルというのは例えば、足関節、下腿、膝関節、大腿、股関節という具合に切断した高さによる違いのことです。
結果は、スイングの滑らかさや再現性は切断レベルに差がないが、重心移動のばらつきが大きくなるということでした。
切断レベルにより残存する筋肉が異なるため、切断した高さが高いほど利用可能な筋肉が少なくなり、踏ん張りがきかなくなることが予想されます。
それにしても再現性が保たれていることには驚きです。
再現性が高ければミスが少なく、スコアも良いでしょう。
その証拠に世界障害者ゴルフ選手権では非常にハイレベルな戦いとなっています。

私も片手ドリル、片脚ドリルは絶対にやった方が良いとプロに教えてもらってからは数発でも絶対にやるようにしています。
左片手ドリルは脇の締め方や手の使い方、下半身でクラブを引き下ろすイメージなどが分かります。
右片手ドリルは右肘のたたみ方やフォローの押し出し方向、胸を回して打つイメージなどが分かります。
左片脚ドリルは左荷重や骨盤のスウェイの修正などに有用です。
右片脚ドリルは体幹の回旋で打つことが分かり、レベルスイングを意識しなければ上手く打てません。
実際にやってみると、その他にもメリットがたくさんあることが実感できます。

今回の研究では下肢切断ゴルファーの課題として重心移動のばらつきが挙げられていますが、ある程度の飛距離を求めつつ、軸がブレないように練習していくのは健常者でも同じですね。
片手、片脚ドリルを是非やってみてください。

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