飛距離の差は右股関節!若者とシニアの決定的な違いを理学療法士解説

「若い頃に比べて飛距離が落ちてきた」
「一生懸命腰を回しているのにボールが飛ばない」

そんな悩みを抱えるゴルファーの皆さん、実はその原因、単なる筋力不足ではなく「身体の使い方のポイント」にあるかもしれません。

私は理学療法士として、多くのゴルファーの身体の動きを分析してきました。今回は、シニアと若年ゴルファーの決定的な違いを示す研究データをもとに、飛距離アップに直結する身体のメカニズムと、今日からできる具体的な対策について解説します。

科学的根拠:研究データの解説

エビデンス

『シニアと比較すると若年ゴルファーは右側の股関節外旋トルクが大きいが、その他の運動方向に関しては同等。』
— Foxworth et al.2013

このデータは、ゴルファーにとって非常に希望の持てる事実を示しています。多くの人が「年齢とともに全身が衰える」と考えがちですが、実はスイングにおける多くの運動方向で、シニアと若手にそこまで大きな差はないのです。

しかし、唯一にして決定的な違いが「右股関節の外旋トルク」です。簡単に言えば、ダウンスイングの瞬間に右足で地面を強く蹴り出すパワーです。若年ゴルファーはこの「右お尻の爆発力」がずば抜けて高く、これが飛距離の差を生むエンジンの正体なのです。

右の「大殿筋」を目覚めさせて飛距離を取り戻す

エビデンスにある「右股関節の外旋」を担う主役は、お尻の筋肉である「大殿筋(だいでんきん)」です。ダウンスイングの直前、右足で地面を蹴る瞬間にこの筋肉が強く収縮することで、強力な回転力が生まれます。

若年ゴルファーが飛ぶのは、ジャンプや着地で使われるこの大殿筋がスイング中に強く働いているからです。つまり、シニア世代であってもこの大殿筋を集中的に強化し、スイングで使えるようにすれば、飛距離を取り戻すことは十分に可能なのです。まずは自宅で「お尻」を意識的に使うトレーニングから始めましょう。

トレーニングチューブ(ループバンド)

大殿筋を効率よく鍛えるには、膝上にバンドを巻いた状態でのスクワットやサイドステップが理学療法士として最もおすすめです。自重だけでは意識しにくいお尻の筋肉に強制的に負荷がかかり、短時間で「使える筋肉」へと変わります。場所も取らず、テレビを見ながら実践できる必須アイテムです。
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「背中とお尻の連動」でスイングスピードを加速させる

大殿筋の重要性は単なる筋力だけではありません。解剖学的な視点で見ると、大殿筋は「胸腰筋膜(きょうようきんまく)」という背中の膜を介して、反対側の「広背筋(背中の筋肉)」とつながっています。

これを「アウターユニットの後斜筋群」と呼びます。右のお尻と左の背中が対角線上で連動することで、体幹は高速で回旋し、腕が鋭く振り下ろされます。いくら筋トレをしても、この「背中とお尻のつながり(筋膜の柔軟性)」が硬くては、パワーがスイングに伝わりません。筋力強化と同時に、柔軟性のケアも必須です。

ストレッチポール

背中の筋膜とお尻の連動性を高めるには、日々の筋膜リリースが効果的です。ストレッチポールで背中(広背筋)やお尻をほぐすことで、癒着した筋膜がリリースされ、スイング中の身体の回転が驚くほどスムーズになります。怪我予防としても、練習前後の習慣にしていただきたい一本です。
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まとめ

今回のエビデンスから、飛距離低下の正体は「年齢」そのものよりも、「右股関節の蹴る力(大殿筋)」とその使い方の差にあることが分かりました。

「もう歳だから」と諦める必要はありません。大殿筋を強化し、背中との連動性を高める正しいコンディショニングを行えば、身体は必ず応えてくれます。今日からできるお尻のトレーニングを取り入れて、若々しい力強いスイングを取り戻しましょう!

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