エビデンス
『高校生アスリートに対しバランストレーニングにより足関節捻挫のリスクを軽減。』
研究グループ
McGuine.2006
バランストレーニング
今回の研究は高校生アスリート(サッカー、バスケット)に対するものですが、バランストレーニングにより得られた効果はゴルファーにも適応できます。他の報告でもありましたが、ゴルファーにとってバランスは不可欠な能力と言えます。
バランス能力について
バランス能力というのは様々な能力の組み合わせで成り立っています。例えば、足裏で地面に触れている表在覚、関節がどの程度曲がっているかという深部覚、水平面に対してどの程度傾いているのかという平衡覚、目に見えているものが真っ直ぐなのか傾いているのかという視覚、そしてそれらの感覚から得た情報を統合して、転倒しないように筋肉を動かす運動としてアウトプットする能力が必要です。もちろん、感覚は常に変わるため、出力される運動も常に変わります。運動が変われば、また感覚も変わります。このように感覚→運動→感覚→運動→感覚・・・と常に調整しながらバランスをとることを閉ループの運動制御といいます。
閉ループ運動制御と開ループ運動制御
ちなみにこれとは逆に、感覚のフィードバックを必要としない運動は開ループの運動制御となります。ゴルファーの場合はアドレスをした時点でどのような運動をするのか、イメージがほとんど決まっています。そのイメージ通りの運動を行うだけであれば、一方通行の開ループの運動制御で良いということになります。ただし、いつもボールとの位置関係が重要となるし、テイクバックが大きくなってしまったり、アウトに上げてしまったりなど、イメージとは違う運動となった場合にはアジャストが必要になります。つまり、ゴルフスイングも閉ループの運動制御となります。
ゴルフにはバランストレーニング
バランス能力と簡単に言ってしまえばただ転倒しないようにするだけの単純なものですが、脳で起こっていることを考えるとすごい能力だということが分かります。バランスをトレーニングするということは単に筋力を鍛えたり、柔軟性を改善させるだけでなく、中枢である脳をトレーニングしているということになります。 ゴルフには間違いなく重要な能力と言えます。