エビデンス
『テイクバックの小さくしたスイングはフルスイングに比べ、脊椎圧縮力を減らすことができる。』
研究グループ
Dale et al.2016
オーバースイング
初心者の多くにみられるゴルフスイングのパターンとしてオーバースイングがあります。トップでクラブヘッドが水平よりも垂れる現象です。左肘が曲がってしまうのか、右手首を反らせていないのか、左足が浮いてしまっているのか、捻転が大きすぎるのか、原因は様々です。ゴルフスイングは再現性が高いことが重要です。オーバースイングでは再現性が低下するばかりか、怪我をしてしまう可能性も高くなります。
スリークォーターショット
今回の研究では7番アイアンを用いてフルスイングとテイクバックを小さくしたスイングを比較しています。ヘッドスピード2m/s以下の減少と飛距離10m以下の減少があるものの、脊椎にかかる圧縮ストレスは軽減できたとのことでした。腰痛のあるゴルファーはフルスイングを避け、番手を上げてスリークォーターで打つことが推奨されています。このように、テイクバックを大きくしていくよりも、いつもスリークォーターショットができることの方が腰痛予防においても重要と言えます。
ミート率の上昇で飛ばす
私もオーバースイング気味なので、やはりばらつくことが多く、最近はテイクバックを小さくする練習をしています。それでも飛距離はさほど変わらないし、しっかり狙ったところに落とすことができるようになりました。ドライバーに関しても、次のセカンドショットが遠いと感じることはありません。ミート率を上げることで、ヘッドスピードが多少遅くなっても確かに飛びます。
切り返しのタイミング
脊椎の圧縮負荷が減らせて、パーオン率も高くなるのであれば、1番手上げてテイクバックの小さなスイングを練習した方が良いです。もっと飛距離を出したいという方は、テイクバックを大きくしていくのではなく、左足の踏み込みを強くするなど別の方法を考えましょう。X-factor(骨盤と胸郭の捻転差)が最大になるポイントをトップからダウンスイング初期(切り返し直後)にします。もちろん胸椎の回旋可動域が不足している人は、十分なX-factorが得られるようにストレッチが欠かせません。