ドライバーで飛ばそうと力んだ瞬間、奥歯をグッと噛み締めていませんか?
「歯を食いしばった方が力が出る」と信じて、マウスピースを作ったりガムを噛んだりしているゴルファーも多いはずです。
今回は理学療法士である私が、この「噛み締め」がゴルフのパフォーマンスに本当に良い影響を与えるのか、科学的なデータをもとに解説します。
科学的根拠:研究データの解説
エビデンス
驚かれるかもしれませんが、ゴルフにおいては「歯を食いしばっても飛距離や正確性は変わらない」という結果が出ています。
確かに、重い物を持ち上げる際などに歯を食いしばると、脳からの反射が増強される「イェンドラシック法」という現象が起き、筋力発揮や姿勢制御にプラスに働くことが知られています。
しかし、ゴルフは単なる筋力勝負ではなく、クラブをしならせてコントロールする繊細なスポーツです。そのため、噛み締めたからといってヘッドスピードが上がったり、ショットが安定したりすることはない、というのがこの研究の結論です。
無駄な力みを防ぎ、歯を守るためのケア
パフォーマンスが変わらないのであれば、無理に噛み締める必要はありません。むしろ、無意識の過度な食いしばりは、歯の摩耗や顎関節への負担、さらには首や肩の不要な緊張につながるリスクがあります。
「飛ばそう」としてどうしても力んでしまう方は、歯を保護し、適度な力感を保つためにスポーツ用マウスピースを活用するのも一つの手です。パフォーマンスアップのためではなく、長くゴルフを楽しむための「身体の保護」として取り入れましょう。
スポーツ用マウスピース
スイングの再現性を高める「筋緊張」のリセット
研究データでは効果なしとされましたが、生理学的にはトップからダウンへの切り返しで身体の反射は必ず起こります。
重要なのは「毎回同じ状態で振ること」です。噛み締め癖がある方は、首の後ろ(後頭下筋群)や肩周りの筋肉が常に緊張状態になりがちです。筋肉が硬直していると、スムーズな回旋動作が妨げられ、スイングの再現性が低下してしまいます。
日頃からケアを行い、筋肉の緊張をリセットしておくことが、安定したスコアへの近道です。
マッサージボール(リリースボール)
まとめ
ゴルフにおいて、歯を食いしばること自体が直接的な飛距離アップやスコアメイクに繋がるわけではありません。
しかし、自分の身体の癖を知り、無駄な力みを省いてコンディションを整えることは上達への近道です。情報に惑わされず、科学的根拠に基づいたトレーニングとケアで、賢くゴルフライフを楽しみましょう!