【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.103】シャフトのキックポイントと打ち出し角度


『ローキックポイントでは体幹回旋速度が速く、アーリーリリースがみられ、ハイキックポイントでは打ち出し角度が2°低い。』
Joyce et al.2016

《中村の解釈》
当たり前のことですが、ゴルフはクラブとボールを使うスポーツです。
クラブとボールについて詳しく知ることが上達の一助となることは間違いありません。
ゴルフクラブはシャフトとヘッドに分けることができ、それぞれ詳しくデータが解析されています。
今回報告された研究ではシャフトのキックポイントについて調査されています。
キックポイントとはシャフトのしなりが強調される部分により、元調子(ハイキックポイント)、中調子(ミドルキックポイント)、先調子(ローキックポイント)に分けられます。
元調子がグリップ側、中調子が中央、先調子がヘッド側ということになります。

今回の研究では先調子では体幹回旋速度が速くなりアーリーリリース(ダウンスイングでヘッドが垂れる現象)がみられ、元調子では打ち出し角度が2°低くなるということでした。
先調子のクラブはヘッドが走るようなしなりの感覚がでますが、ばらつきが大きくなる傾向にあり、元調子のクラブはしなりが小さくヘッドのばらつきも小さくなりますが、球がつかまりにくく打ち出し角度も低くなるはずです。
打ち出し角度が低すぎて飛ばないという方は先調子のシャフト、球が吹き上がってしまう方は元調子のシャフトといった具合に調整することができます。

さて、キックポイントの違いで飛んだボールに影響がでるのは当然ですが、スイングにまで有意な差が出ています。
道具が違えは身体の動かし方もそれに合わせて変わってくることが考えられます。
脳はいつも自分が行う運動を学習していますので、シャフトのしなりも敏感に感じ取り動作を修正しています。
そのため、普段使っている慣れたクラブが最も打ちやすいと感じるはずで、新しいクラブは違和感を感じます。
このクラブは合わないと言ってすぐに買い替えるのは大きな間違いです。
逆に試打をして上手く打てなくても、本当はそのクラブが一番合っているクラブかもしれません。
ある程度身体が慣れるまで打ち込まなければ本当に最適なクラブを見つけることはできないでしょう。

ただし、色々なクラブを打つことで脳が幅広く学習してくれるというメリットがあります。
しなりの異なるクラブをあえて練習で使うというのは、臨機応変に対応できる経験値を高めたり、新しい発見につながることがあるので効果的と言えます。

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