「若い頃より飛距離が落ちた」「最近スライスやヒッカケが止まらない」……そんな悩みを抱えていませんか?実はその原因、筋力の低下ではなく、ある関節の動きが悪くなっているせいかもしれません。
理学療法士の中村直樹です。今回は、多くのシニアゴルファーが知らず知らずのうちに陥っている「スイングの落とし穴」について、科学的なデータをもとに解説します。原因を知れば、対策は可能です。
目次
科学的根拠:研究データの解説
エビデンス
『シニアゴルファーは大学生ゴルファーよりもテイクバックでの右肩外旋角度が38°小さく、アドレスで右肩外転角度が18°大きい。』
— Mitchell et al.2003
このデータが意味することは衝撃的です。簡単に言うと、シニアゴルファーはテイクバックで「腕を外側に捻る動き(外旋)」が若手より圧倒的に不足しており、その代わりに「脇を開く動き(外転)」でクラブを持ち上げようとしているということです。つまり、アドレスの時点ですでに脇が甘くなっており、スイング中もその傾向が強まるため、結果としてカット軌道になりやすいのです。
課題1:肩の「外旋可動域」の低下
ゴルフスイングは本来、肩の「回旋運動」で行うものですが、年齢とともにこの可動域は狭くなりがちです。特に重要なのが、腕を外に捻る「外旋」の動き。これが硬くなると、クラブを正しいプレーンに乗せることができなくなります。
胸郭と肩甲骨を整えるストレッチポール
肩の外旋可動域を取り戻すには、肩そのものだけでなく、土台となる胸郭や肩甲骨の柔軟性が必須です。このツールを使えば、上に寝転がるだけで胸が開き、肩関節が正しい位置にリセットされやすくなります。毎日のケアに最適です。
課題2:無意識に「脇が開く」代償動作
肩が回らない分、体は無意識に「脇を開いて」クラブを持ち上げようとします(代償動作)。これがヒッカケやスライスの元凶である「アウトサイドイン軌道」を生み出します。頭では分かっていても、長年の癖や体の硬さで開いてしまうのが厄介な点です。
理想の三角形をキープする「三角先生」
腕の間に挟んでスイングすることで、両腕と胸でできる三角形を強制的に維持します。理学療法士的に見ても、脇が開く動き(外転)を物理的にブロックしながら、身体の回転で打つ感覚を養えるため、低下した運動感覚を補正するのに非常に理にかなった練習器具です。
まとめ
シニアゴルファーの不調は、単なる老化ではなく「可動域制限によるフォームの崩れ」が大きな要因です。しかし、適切なストレッチと練習で可動域を維持・改善できれば、飛距離も方向性も必ず取り戻せます。諦めずに、今日から体のケアを始めましょう!