ゴルフをしていて、「プロのように球が捕まらない」「どうしてもスライスしてしまう」といった悩みはありませんか?
実は、プロとアマチュアでは、スイング中に使っている「腕の筋肉」がまったく違うことが科学的に証明されています。
その鍵を握るのが、前腕にある「円回内筋(えんかいないきん)」です。
この記事では、理学療法士が論文データ(エビデンス)に基づいてプロの身体の使い方を解説し、飛距離アップと怪我予防のための具体的なケア方法をご紹介します。
科学的根拠:プロとアマの決定的な違い
まずは、円回内筋に関する興味深い研究データをご紹介します。
エビデンス
『プロはアマと比較して加速期に左の円回内筋の活動が高く、右の円回内筋の活動が低い。』
— 研究グループ:Farber et al. 2009
なぜプロは「左の円回内筋」が活動するのか?
円回内筋は、腕を内側にひねる(ドアノブを内へ回す)動きをする筋肉です。
通常、スイング中の左腕は、インパクトに向けて外向きに回転(回外)していきますが、プロはあえてこれに抵抗するように「円回内筋」を働かせています。
これは、フェースが急激に返りすぎるのを防ぎ、インパクトゾーンでフェース面を長くスクエアに保つためと考えられます。
- プロ:左手でコントロールし、フェースの開閉を抑えている。
- アマ:右手で無理やり叩きにいってしまい、リリースが早くなる。
円回内筋の酷使は「ゴルフ肘」の原因になる
プロのように左手を正しく使えていても、あるいはアマチュアのように右手を使いすぎていても、この円回内筋には強烈な負担がかかります。
酷使して硬くなると、肘の内側が痛くなる「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」を引き起こします。痛みを抱えたままでは、理想のスイングは手に入りません。
痛みがある場合の対策
もし肘の内側に違和感があるなら、筋肉の付着部を守るサポーターが有効です。プロのような「強いインパクト」に耐えられる肘を作りましょう。
今日からできる!円回内筋のセルフケア
「左手の円回内筋」を意識してスイングレベルを上げつつ、怪我を防ぐためには日々のケアが欠かせません。
1. 前腕のストレッチ
- 腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます。
- 反対の手で指先を持ち、手首を反らせるように自分の方へ引きます。
- 肘の内側が伸びているのを感じながら20秒キープします。
2. ボールを使った筋膜リリース
円回内筋は肘の内側の神経に近い場所にあるため、強い振動を与えるマッサージガンなどは避けたほうが無難です。
代わりに、マッサージボールやテニスボールを使い、テーブルの上で転がすように優しく圧をかけてほぐすのが安全でおすすめです。
セルフケアの便利グッズ
指で揉むと逆に手が疲れてしまう方は、リリース用のボールを使いましょう。適度な硬さがあるものを選ぶと、深部までしっかりほぐせます。
まとめ
論文の研究結果からも、上級者は「左の円回内筋」をうまく使ってボールをコントロールしていることが分かります。
- エビデンス:プロは加速期に左の円回内筋の活動が高い。
- ポイント:左手主導のスイングを目指しつつ、肘のケアを怠らないこと。
科学的な知識と適切なケアで、怪我なくレベルアップを目指しましょう。