「スイングをするたびに股関節の付け根が痛む」「鼠径部の違和感がなかなか消えない」
もしあなたがこのような悩みを抱えているなら、それは単なる筋肉痛ではなく、「スポーツヘルニア(グローインペイン)」の兆候かもしれません。
多くのゴルファーが、痛みを我慢しながらプレーを続け、結果としてパフォーマンスを落としてしまっています。
今回は、理学療法士である私が、最新の研究データに基づき、手術をせずに鼠径部痛を改善し、ゴルフへ復帰するための具体的なロードマップを解説します。
科学的根拠:研究データの解説
エビデンス
このデータは、私たちゴルファーにとって非常に大きな希望となります。
一般的にサッカー選手に多いとされるスポーツヘルニアですが、プロゴルファーにも発症例があります。しかし重要なのは、「手術をしなくても、適切な理学療法を行えば7週間で競技復帰が可能である」という事実です。
痛みに怯えてメスを入れることを考える前に、まずは正しいリハビリテーションの手順を踏むことで、再び痛みなくスイングできる日が来ることを、このエビデンスは示唆しています。
まずは「歪み」のリセットから:可動域の改善
鼠径部痛を改善するために、いきなりクラブを持ってスイングの練習をしてはいけません。それは火に油を注ぐようなものです。
私が推奨しているNOVAST®コンセプトでも、まず最初に行うべきは「関節の歪みを解消すること」です。痛みが出る原因の多くは、股関節周囲の筋肉が硬くなり、関節が正しい位置からズレてしまっていることにあります。
研究事例の理学療法でも、初期段階では徹底して可動域訓練(ストレッチなど)が行われています。
まずは自宅でできるセルフケアで、硬まった筋肉や筋膜を緩め、関節をニュートラルな状態に戻すことから始めましょう。
自宅でのケアに必須:ストレッチポール
「安定性」をつくる:インナーマッスルの強化
関節の歪みが取れ、可動域が確保できたら、次に行うべきは「その良い位置をキープするための筋力強化」です。
ここで重要なのが、アウターマッスルではなく、まずは「インナーマッスル(コアスタビライズ)」を鍛えることです。スポーツヘルニアは、腹圧がかかった際に鼠径部周辺の組織が圧迫されることで痛みが生じます。
つまり、スイング時の強い腹圧に耐えうる「体幹の安定性」が不可欠なのです。
インナーマッスルを強化し、徐々にアウターマッスルと協調させていく。そして最後にスイング動作へと移行する。この順番を守ることが、再発を防ぎ、最短で復帰するための鉄則です。
体幹深部を刺激する:バランスボール
まとめ
鼠径部の痛み(スポーツヘルニア)は、決してゴルフ人生を諦めるような怪我ではありません。
エビデンスが示す通り、正しい手順で理学療法に取り組めば、プロレベルでも短期間での復帰が可能です。
焦ってクラブを振るのではなく、まずは「ストレッチでの歪み解消」から始め、次に「インナーマッスルでの安定化」、最後に「スイング動作」へと進んでください。
この正しいプロセスこそが、痛みなく思い切り振り抜ける身体を取り戻す唯一の近道です。今日から自宅でのケアを始めましょう!