「バックスイングで肩が詰まる感じがする」
「フォロースルーで肩の後ろに痛みが走る」
ゴルファーの皆さん、このような悩みをお持ちではありませんか?
肩の動きが悪くなると、飛距離が落ちるだけでなく、日常生活にも支障をきたす五十肩やインピンジメント症候群につながる恐れがあります。
この記事では、現役の理学療法士である中村が、最新の科学的根拠(エビデンス)に基づき、ゴルフ肩の原因とその解決策をわかりやすく解説します。
科学的根拠:なぜ肩が回らなくなるのか?
エビデンス
『肩関節内旋制限に三角筋後部線維、棘下筋、小円筋が関与し、なかでも三角筋後部の影響が大きい。』
— Hung et al. 2010
この研究データは、肩の動き(特に内側に捻る動作)が悪くなる最大の原因が、関節そのものではなく「肩の後ろ側の筋肉(三角筋後部)の硬さ」にあることを示唆しています。
多くのゴルファーは関節の柔軟性を気にしますが、実はこの「筋肉の突っ張り」こそが、スムーズなスイングを邪魔し、痛みを引き起こす犯人なのです。
スイングが小さくなる原因と「肩の詰まり」
ゴルフのスイングにおいて、テイクバックやフォロースルーでは肩関節の柔軟性が非常に重要です。
しかし、先ほどのエビデンスにあった「三角筋後部」が硬くなると、以下のような悪循環に陥ります。
- テイクバックで腕がスムーズに上がらない(スイングアークが小さくなる)
- 無理に上げようとして、肩の関節内で骨と腱がぶつかる(インピンジメント)
- 結果として、慢性的な痛みや飛距離ダウンにつながる
特に、「腕を上げたときに肩の前や横に鋭い痛みが走る」場合は、筋肉の硬さが原因で関節内が窮屈になっている可能性が高いです。プレイ中に痛みを感じる場合は、無理に動かさず、患部を保護することが最優先です。
痛みがある場合の対策:肩関節の安定化
痛みを抱えながらのプレーはフォームを崩す原因になります。理学療法士の視点では、痛みがある時期はサポーターで関節を安定させ、保温することで筋肉の柔軟性を維持することをおすすめします。適度な圧迫感があるタイプがスイングを邪魔せず最適です。
根本解決:三角筋後部を緩めるケア方法
痛みの原因となる「三角筋後部線維」を柔らかくするには、適切なストレッチとリリースが必要です。
記事内で推奨されているのが「クロスボディストレッチ」です。
- 胸を正面に向けたまま立つ
- 伸ばしたい方の腕を90度前に上げる
- 反対の手で、その腕を胸の方へ引き寄せる(体に押し付けるイメージ)
これにより、肩の後ろ側がじわーっと伸びる感覚があれば正解です。
しかし、長年のゴルフ生活で固まった筋肉は、ストレッチだけではなかなかほぐれないことがあります。その場合は、物理的に筋肉を圧迫して緩める「筋膜リリース」を組み合わせるのが最も効率的です。
セルフケアの便利グッズ:深層筋へのアプローチ
肩の後ろ側は自分では指圧しにくい場所です。そこで役立つのがマッサージボールです。壁と背中の間にボールを挟み、ゴロゴロと転がすだけで、指では届かない深部のコリ(トリガーポイント)を安全かつ的確にほぐすことができます。電動ガン等の器具と違い、神経損傷のリスクが極めて低いため推奨します。
まとめ
今回は、ゴルフの肩の痛みの原因となる「三角筋後部線維」の硬さと、その対策について解説しました。
- 肩の痛みや可動域制限は、後ろ側の筋肉の硬さが主な原因
- この筋肉が硬いとインピンジメント(衝突)を引き起こす
- クロスボディストレッチやボールを使ったケアで柔軟性を保つことが重要
長くゴルフを楽しむためには、スイング改造だけでなく、身体のメンテナンスが欠かせません。今日のケアが、明日のベストスコアを作ります。ぜひ実践してみてください。