【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.33】三次元解析を用いたX-factor



エビデンス




X-factorの算出には三次元解析を用いるべきである。』




研究グループ




Smith et al.2016




X-factorの大きさ




 前回に引き続き、X-factorに関する文献の紹介です。X-factorというのは骨盤と胸郭の捻転差のことをいいます。捻転差が大きい程、ヘッドスピードの増大や飛距離の増大が見込めると言われています。ただし、前回の報告のように、トッププロのX-factorの大きさも計測方法によって異なるので、基準値が分かっていません。だいたい何度ぐらいの捻転差があればいいのかというのが分からないわけですね。




モーションキャプチャーで三次元分析




 さて、前回はビデオで撮影してもだいたい分かると書きましたが、今回の報告ではモーションキャプチャーなど三次元解析とビデオカメラなどの二次元解析では16°も差があったとのことでした。モーションキャプチャーというのは、反射マーカーという1~2㎝大のボール状のマーカーを体中にくっつけて、それを6台の赤外線カメラで撮影することでコンピューター上で運動を解析する装置です。三次元分析ですので、めちゃくちゃ正確ですが、装置はもちろん高額です。また、皮膚上にマーカーを貼るので、わずかですが皮膚の滑りによる誤差があります。一方、ビデオで角度を測るのはそもそも無理があります。二次元では前後の運動(矢状面)と左右の運動(前額面)を同時に計測することはできません。




X-factorを目視する方法




 とは言うものの、正確な角度というのはそれほど重要ではありません。X-factorが大きい人のスイングと小さい人のスイングは一目瞭然です。トップからの切り返しで左脚を使っているかどうか、胸よりも先に骨盤が動くかどうか、インパクトの瞬間にしっかり左股関節が内旋位にあるかどうか、またその時に胸が正面を向いているかどうかだけ分かっていればいいのです。重要なのは骨盤に対する胸郭の柔軟性です。フィジカルパフォーマンスが十分でないのにX-factorを大きくすることはできません。装置が買えないことに対する言い訳のようですが、RIPS!!ではしばらくビデオ解析で頑張ります(笑)