【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.60】シニアゴルファーは脇が開きやすい

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シニアゴルファーは大学生ゴルファーよりもテイクバックでの右肩外旋角度が38°小さく、アドレスで右肩外転角度が18°大きい。』
Mitchell et al.2003

《中村の解釈》
以前はちゃんと脇を締めて打てていたのに、年齢とともに脇が開きやすくなったということがよくあります。
ご自身で気づく方もみえますが、ほとんどの場合はヒッカケやスライスが出るようになり、コーチなどの第三者に指摘されるまで脇が開いてカット軌道になっていることに気づきません。
実は、この問題はシニアゴルファーに限ったことではありません。
若いゴルファーであっても、いつのまにか右肘の引きつけが甘く、力むことによって簡単にプレーンがカット軌道になります。
脇が開く問題に関しては年齢に関係なく気を付ける必要があることは間違いありません。
今回の報告を是非参考にして頂きたいと思います。

さて、今回の報告ではシニアゴルファーと大学生ゴルファーのスイングのどこが違うのかを調査しています。
シニアゴルファーは大学生ゴルファーよりもテイクバックにおける右肩外旋角度が38°小さく、アドレスで右肩外転角度が18°大きいということでした。
肩関節は広い意味では肩甲骨や鎖骨を含めますが、ここでいう肩関節は肩甲骨に対する上腕骨(肩甲上腕関節)の運動です。
外旋運動は上腕骨を外側に捻じる運動で、肘を90°に曲げて、肘をお腹につけながら手を外に開くと肩関節が外旋します。
外転運動は上腕骨を外側に開く運動で、かかしのように腕を外側に広げると肩関節が外転します。
つまり、外旋運動は脇が開きませんが、外転運動は脇が開く運動です。
報告の通りだとすると、シニアゴルファーはアドレスからすでに脇が開いていて、テイクバックでも肘を内側に向けることがないようなスイングをしているようです。

基本的なゴルフスイングでは、この肩甲上腕関節の運動は開いたり閉じたりの内外転運動ではなく、回旋運動が主となります。
高齢になると肩の回旋可動域が制限されてくるため、脇を開くことで代償してクラブを持ち上げてしまう可能性があります。
逆に言えば、脇が開いてしまう人は肩の回旋可動域が狭いといと考えられます。
それがこの研究では顕著に表れたようですね。

自分の回旋可動域がどれぐらいあるのかは簡単に判断できます。
脇を閉じたまま、肘を90°に曲げ手のひらを上に向けます。
肘を脇腹につけたまま手を横に開けていくと、どこまでいけるでしょうか。
整形外科では参考可動域を60°としていますが、大学生ゴルファーなら80°はあるでしょう。

こうした可動域の制限が若い頃に比べると飛ばなくなったということの一つの因子になります。
また、力んでカット軌道となってしまうことを予防するためにも肩関節の外旋可動域は重要です。
ストレッチの継続は必須ですね。

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