【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.143】股関節内旋制限と腰部の代償運動



エビデンス




 『股関節内旋制限のあるプロゴルファーは腰部の屈曲、回旋、右側屈が大きい。』




研究グループ




Kim et al.2015




関節不安定性




 腰痛の原因として、股関節の可動域は注目されています。股関節の可動域の乏しい方は、その代償として骨盤にある仙腸関節(せんちょうかんせつ)や、腰部にある腰椎椎間関節(ようついついかんかんせつ)が過剰に動いてしまうからとされています。この過剰に動いてしまうことを関節不安定性と言います。関節不安定性があると、周囲の靭帯や関節包などの組織を損傷してしまったり、軟骨が削れてしまったり、表在にある筋肉が緊張したりすることによって痛みとして表れます。特にゴルファーにとっては、股関節の回旋制限があると、本来回旋可動域をほとんど有しない腰椎椎間関節が回旋しようとしてしまい、関節不安定性が強くなってしまうでしょう。




股関節の内旋制限による腰痛




 今回の研究では、 股関節の内旋(脚を内側に捻じる運動)制限のある方はスイング動作を遂行するために腰部の運動が大きくなるということが証明されています。骨盤にある仙腸関節はほとんど動かない関節です。主に深く股関節を曲げた時や、伸ばした時に左右で2度ずつ、計4度ぐらいの可動性があるとされています。また、先に述べたように、腰椎椎間関節は前後屈にはよく動きますが、左右側屈や回旋にはそれほど動くことができません。これらの関節がたくさん動くことで、関節の不安定性が生じ、腰痛として表れるようになるでしょう。




バットグリッピング




 今回の研究では筋肉自体が短かったり、柔軟性が乏しかったりすることが原因であるとしています。可動域制限は他にも、関節の適合性(関節の面と面が合う状態)が悪い場合でも起こります。股関節の場合は、少し前方に偏位することがあります。ほんの数ミリですが、いわゆる関節の歪みによって可動域は大きく制限されます。この場合でもやはり臀部の筋肉の柔軟性が乏しいこと(バットグリッピング)が原因といえます。また、今回の研究では股関節を内旋させる筋力も弱いということでした。股関節を内旋させる主要な筋肉は小殿筋ですが、これは拮抗する大殿筋の緊張が強いため、働きにくいということが考えられます。




予防にはストレッチが効果的




 ゴルフスイングにおける腰を切るという表現は、実際には股関節の回旋運動のことです。股関節の可動域制限があるということは腰が切れないということですから、美しいゴルフスイングをするうえでも重要なポイントであるということが言えます。ただし、心配はいりません。しっかりと臀部のストレッチを行うことにより改善が可能です。ストレッチ方法は無料メルマガで配信していますので、興味のある方は本ホームページの登録フォームから登録してください。コツコツとストレッチをすることで、是非、腰痛の予防と美しいゴルフスイングを目指してください。