【ゴルフトレーニングの科学的根拠No.119】プロとアマの円回内筋の違い



エビデンス




『プロはアマと比較して加速期に左の円回内筋の活動が高く、右の円回内筋の活動が低い。』




研究グループ




Farber et al.2009




円回内筋




 円回内筋は前腕(肘から下)にある筋肉で、左手の場合、ドアノブを時計回しに回す運動(回内運動)の主動作筋です。回内運動は手首ではなく肘関節の運動で、円回内筋以外にも方形回内筋、橈側手根屈筋が補助的に働きます。ゴルフスイングではアームローテーションが必要となりますので、この円回内筋の働きが重要となります。ここで疑問に思うのが、右利きゴルファーの場合、ダウンスイングからフォロースルーにかけては左腕の回内運動ではなくて右腕の回内運動が起こります。左腕は反対方向(ドアノブを反時計方向に回す)の回外運動が起こります。なぜ左腕の回内筋の活動が高くなるのかという点がポイントと言えます。




アマチュアゴルファーは右手でコントロール




 今回の研究はアマチュアゴルファーが如何に右手でクラブをコントロールしていて、リリースが早いかということを表しています。つまり、プロゴルファーはフェイスの向きを左手でコントロールしていて、フェイスをフォローまでなるべく閉じないようにしていることが考えられます。ゴルフスイングで起こるアームローテーションはダウンスイングからフォロースルーにかけて右肘関節が伸びていく際に同時に起こります。ここでヘッドを走らせているわけですが、左腕が壁にならなければヘッドが走ることはありません。フェイスをなるべく閉じないように、左肘関節が回外しないように我慢しているからこそ円回内筋の活動が高いと言えます。インパクトで左わきが閉まっていなければならないのも同じ理由と言えます。




左手の優位性




 ボビージョーンズの本にも基本的には左手で打つというのをみたことがありますが、昔から言われている左手の優位性は筋電図でも証明されたということです。なお、今回の研究ではワイヤー電極を直接筋肉に差し込んで計測しているので、筋活動の値は正確といえます。リリースが早く、右手でクラブを反してしまうことがないようにしなければなりません。これにより、いわゆるタメができ、ヘッドスピードが速くなるはずです。




手の甲をずっと外側に




よく言われる岡持ちを意識してというのは、トップで右の掌を空に向けることを意味していますが、これだとどうしても右手を意識してしまいます。どちらかというと左手の甲を自分の軸に対して外側に向けるように意識した方が良いかと思います。トップだけというよりもテイクバックからインパクト直前まで左手の甲をずっと軸の外側に向けます。また、ヘッドは一番最後に背中の方から降りてくるように意識します。こうすることで、左の円回内筋の緊張が緩まずインパクトを迎えることができるはずです。